稽古日誌

稽古日誌「小太刀」

尚士会稽古日誌 基本の基本5 「小太刀」


基本の基本シリーズ第五回目は小太刀の使い方です。では先生お願いします。


大会も近いので小太刀の稽古を行いましたがそこで一言(熊師範談)


小太刀とは2尺(60cm)未満の脇差のことをいい片手で斬ります。使い勝手は1.7~1.8尺平造りが一番いいようです。片手で斬るので体の使用できる部分は限られてきてしまいます。小太刀の時こそ体の力を緩め瞬発力を利用しなければ斬れません。


左右袈裟:上段に振りかぶり手の内は、人差し指と親指だけで支え体の力をぬき斬り込みます。藁に刀が入る前に、指を握り込み、手首を返し、切っ先より斬り込みます。この動作を瞬発力(パンチ)を使いムチのように斬ります。目付は刀が藁をぬけた辺りを斬るような気持ちで斬ります。


※ワンポイントアドバイス・・・握り込み・手首の返しを十分早くする。余計な力を入れない。


逆袈裟・水平:手の内、目付は袈裟と同じである。逆袈裟、水平時のバックスイングを小さく体の軸をブラさず右肩が顎の下にくるように、腰の回転を切っ先に乗せる。


ワンポイントアドバイス・・・小太刀は刀身の中ほどで斬るほうがよい。特に水平斬りの場合。


小太刀の斬り方の注意点は以上です。簡単なようでも弟子達は苦戦しております。

稽古日誌 人間の癖

尚士会稽古日誌 基本の基本4 「人間の癖」


基本の基本シリーズのいよいよ第四回目です。では先生お願いします。


弟子達の型・試斬を見ていると体の癖が目につきますので一言(熊師範談


人間の体の構造上、癖がつくのは仕方がないのですが、居合とは「癖の去勢」です。癖の去勢から居合は始まるのです。なぜ基本通りに行わなければならないのか?斬れればいいではないか?こう考える人も多いかと思います。しかし、実戦刀法・刀躁術では0.何秒という局面が生死を分けるのです。


たとえば、袈裟を斬り終わったとき、臍の前に柄がきていない、力が抜けていない、この状態で敵が2の太刀を斬ってきた場合、斬られてしまいます。臍の前に柄頭があれば、手首を返すだけで敵は斬りこめません。力が抜けていれば、敵の2の太刀に合わせて刀を早く動かせるのです。


ですから、刀を基本に忠実に最短で早く動かすよう稽古をし、自分の癖をなくすように型稽古しないと、実戦では癖がスキになり斬りこまれます。しかし、人間の癖はなかなか直すのが難しい・・・。それゆえ一生修行なのです。

尚士会日誌 型稽古

尚士会稽古日誌 基本の基本3 「型稽古」


基本の基本シリーズの第三回目です。では先生お願いします。


弟子達の型稽古を見ているといくつか至らないところがめだつので説明することにします(熊師範談)。


稽古を始めてある程度経過するとゆっくり落ち着いて型ができるようになります。ただそれは、単調に型を行っているだけで、型の流れの中に強弱や緩急がまるでありません。ようは型を行っているときに敵がいないのです。


一刀目の抜きつけ時、正面の敵を斬ります。すぐに力を緩め二刀目を斬ります。残心。切っ先を敵付けします。このとき刀を最短距離で動かします。言って分からないようなので、私を斬りなさいと正面に立って型を稽古させたところ、そこそこの動きをするようになりました。「今のことを忘れずに!」もう一度やらせると今度は肩に力が入ってしまいました。力を抜くことを指摘してもう一度稽古させました。


敵が目の前にいて、単調に動く人はいません。一刀目抜きつけ、序破急を使い敵をとらえ逃がさないように抜きつけて斬りこみます。斬ったら力を抜き二刀目に備えます。常に次の太刀に備えます。型稽古とは、常に敵を斬る意識をもって稽古しなければなりません。できれば、大勢の敵の中で正面の敵を斬ります。このような意識目付で行う型稽古もいい稽古になります。


熊師範のコメント 「型稽古について」



  1. 技の緩急
  2. 刀の強弱
  3. 体の伸縮  

常に以上の3つを意識しつつ稽古に臨むこと。また、型稽古をいつも一定のスピードで行うのではなく、ゆっくりと行う事により3つのことが意識しやすくなります。

尚士会日誌 遠山の目付

尚士会稽古日誌 基本の基本2「遠山の目付」


基本の基本シリーズの第二回目です。今回は「遠山の目付」についてです。では先生お願いします。


前回の稽古の成果があってか弟子達の腕の力がだいぶ抜けてきた?ように思いたい。さて、今回は前回の稽古で説明しなかった遠山の目付を指導することにします(熊ちゃん先生談)。


遠山(えんざん)の目付(めつけ)とは、ただ遠くを繰るように目付をするのではありません。稽古では型・試斬を問わず実践します。それは常に相手つまりターゲットがいるからです。この敵に遠山の目付を用います。


〈基本説明〉相手の肩越しに視線を合わせそこを中心に相手の全体周辺全てを見ます。なぜこのような見方をするのかというと、相手のフェイント、動きを見抜くためです。刀はフェイントを使い斬り込んできますので見ていると斬られます。実戦では、逆足で切り込んできますので足をみていてもフェイントにかかります。目は口ほどにものを言うというだけあって、目をみていると相手の誘い込みにはまってしまいます。


それゆえ相手の肩越しを中心に相手全体をとらえます。斬りこむ一瞬の肩の動きは隠せないからです。この目付で、前方の敵に7割気を集中させます。残りの3割は、後方1・右斜め後方1・左斜め後方1に気を集中させます。この状態より遠山が円山になります。ボーッと見ているようですが、ここまで集中しています。相手は後方をとりたくて仕方ありません。でも、後方を取りにきた相手には、誘い込みのカウンター待っているのです。


武芸者の後ろを取るなどと考えぬほうがよいかもしれません。何が飛んでくるか予測不可能だからです。(稽古ではここで弟子達に前後の敵を同時に斬る技を参考までに見せました)


 

尚士会稽古日誌 2007年9月9日

尚士会稽古日誌 2007年9月9日


今日は抜刀一(平野)、抜刀二(雨宮)さんに全日本抜刀道連盟〈初伝型〉の指導から始めました。抜刀一さんの初伝型は緩急・序破急の使い方まだまだ。そこで、型の中での力の抜き方と入れ方の伝授!!


一刀目を振り終わり刀を止めたら、力を抜き次の動作につながるよう体勢を整えるのが重要。試斬・技斬のときも同じ。すぐに二刀目に入れるよう力を抜く。このことをよく学ぶために型に取り入れ意識して稽古すること。特に正眼に構えたときは、左手の小指・薬指・中指で刀を持ち、右手は十分に柄にかぶせ手の内がゆるまないよう添えること。抜刀一さん理解したようです?


ここでもうひとつ伝授!!


刀を持ったとき、右手人差し指が触覚の役割をします。刀と体と一番近い接点は人差し指です。人差し指で線を引くように斬ります。特に水平を斬るときは手の甲が上に向きます。刀をもたなくても手刀で、どこでも稽古できます。抜刀一・抜刀二さん、目から鱗の様子。


この後試合に向けて、試斬藁斬り(技斬:水返し)の斬り方、意識の持ち方を抜刀二さんに伝授


まずは、逆袈裟。斬り角度、斬り終わったときの体の状態・刀の位置を修正。ふむふむ・・・、逆袈裟にスピードが出てきました。次に!返す刀での水平斬り。腕のたたみ方伸ばし方を伝授。抜刀二さん理解した様子。さらに技斬時の意識の説明。


〈一刀目の意識〉二刀目は考えず一刀目の逆袈裟を素早く斬り抜く。目付けは藁を切り抜ける位置。一刀目逆袈裟、フィニッシュ時右手のゆるみに十分注意。藁が立っていることをしっかり見て、二刀目の水平を斬る。抜刀二さん、見事成功。きれいに斬れました。抜刀二さん、初めての技斬に興奮冷めやらぬ様子。このことを肴に祝杯をあげたい気分でした。


熊ちゃん先生からの一言 -力を抜くことの大事さ-


上手な人は茶巾絞りで握ります。生卵を持つように柄をフンワリと握ります。右手は柄と手が45度になるようにして菱(目釘のところ)に親指の腹が触れるようにし、人差し指も反対側の一番目の菱とし、他の指はひっかけるように指で握ります。力の入れ具合は、小指・薬指・中指の順ですが、斬る瞬間以外はほとんど力を入れない。左手も同様ですが、右手よりやや力をいれ、左手の小指・薬指・中指で刀を支えるのがよい。→次回につづく・・・。