今回は稽古をするものが決しておろそかにしてはならない目釘についてです。
それでは先生お願いします。
目釘は柄と刀身を固定するもので安全上大切なものです。出来るだけ目釘は2ヶ所(控えめ釘)にした方が良いでしょう。
材質としては、鉄,銅,真鍮、竹が使われています。 しかしながら、金属製のものは適しません。特に鉄製は絶対に使用しない事です。目釘穴になじまず、かえって穴を広げてしまいだんだんと脱落しやすくなってしまいます。
銅、真鍮に関しては、竹との併用に限って使用してもよいでしょう。昔から竹を用いているにはそれなりの訳があるものです。竹は金属と違い仮に折れても直ぐには刀身が飛び出しにくいものです。冬の最も寒い時期(2月ころ)の乾燥したときに切り出した竹を、3年間枯らしたものが良いとされています。肉厚で皮の部分の多い物、節と節の中程3分の1は使用せずに節に近い3分の1を使います。とは言ってもなかなか入手しずらいので、古竹(囲炉裏の煙で長年燻された竹)や古竹刀などを使用すると良いでしょう。
加工する際には、フライパンなどで空煎りしてから皮の部分を多く残すようにして削りだします。取り付け方は、右手の親指がかかる方より入れ,裏、表とも2~3ミリ出っ張る様な長さにしておき、握った時に目釘が抜けていないか親指で確認出来るようにしておきます。また、向きを決める事も大切です。竹目釘の一番丈夫な部分の皮面を、柄頭と刃側、下方45度にセットします。なぜならば、柄から刀身が飛び出そうとする応力と、斬ったときの切断応力を考慮しなければならないのです。
目釘は我々居合を志す者にとって大切なものなので、定期的に点検し緩んでいたり傷んでいるときには、ただちに交換しなければなりません。目釘だけではなく、切羽刃十分か、柄のガタツキ、柄の穴,さめ皮がしっかりしているか、また、時代の柄は、木、皮、紐が劣化している為に、居合に使用してはなりません。
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