尚士会稽古日誌 演武後の談話 「閑話休題」


11月中の忙しい演武もおわりひとときの談話から


         


談話中よいたとえ話をひとつ(熊師範談)


目が見える人(A氏)、盲目の人(B氏)が象を見ました。


A氏:「ふぅ~ん、象ですね」 たいていの人はこれで終わりです。


B氏:象が見えません。臭い・音・肌ざわり・味?これは無いかな?象に触れたときの熱、象の鼻に触り空気が出ているなど、周りの人によく学び、象という生き物を四感でとらえ細かく、深く感じてゆくでしょう。なにしろ目が見えない分、他で感じるしかありません。それゆえA氏より象を知ることができるのです。


目が見えるA氏に分からないことが目の見えないB氏に見える、変な言い方ですがこの話し武道だけではなく一般社会でも同じでしょう。稽古中・仕事中、人にものを教わるときなど盲目の人のように物事に接することができればいろいろなことを学べ人間としての上達も早いことでしょう。


はっ、恐れ入ります。深く恥じ入る次第でございます(不肖の弟子)