演武後の談話「閑話休題」

尚士会稽古日誌 演武後の談話 「閑話休題」


11月中の忙しい演武もおわりひとときの談話から


         


談話中よいたとえ話をひとつ(熊師範談)


目が見える人(A氏)、盲目の人(B氏)が象を見ました。


A氏:「ふぅ~ん、象ですね」 たいていの人はこれで終わりです。


B氏:象が見えません。臭い・音・肌ざわり・味?これは無いかな?象に触れたときの熱、象の鼻に触り空気が出ているなど、周りの人によく学び、象という生き物を四感でとらえ細かく、深く感じてゆくでしょう。なにしろ目が見えない分、他で感じるしかありません。それゆえA氏より象を知ることができるのです。


目が見えるA氏に分からないことが目の見えないB氏に見える、変な言い方ですがこの話し武道だけではなく一般社会でも同じでしょう。稽古中・仕事中、人にものを教わるときなど盲目の人のように物事に接することができればいろいろなことを学べ人間としての上達も早いことでしょう。


はっ、恐れ入ります。深く恥じ入る次第でございます(不肖の弟子)

稽古日誌「小太刀」

尚士会稽古日誌 基本の基本5 「小太刀」


基本の基本シリーズ第五回目は小太刀の使い方です。では先生お願いします。


大会も近いので小太刀の稽古を行いましたがそこで一言(熊師範談)


小太刀とは2尺(60cm)未満の脇差のことをいい片手で斬ります。使い勝手は1.7~1.8尺平造りが一番いいようです。片手で斬るので体の使用できる部分は限られてきてしまいます。小太刀の時こそ体の力を緩め瞬発力を利用しなければ斬れません。


左右袈裟:上段に振りかぶり手の内は、人差し指と親指だけで支え体の力をぬき斬り込みます。藁に刀が入る前に、指を握り込み、手首を返し、切っ先より斬り込みます。この動作を瞬発力(パンチ)を使いムチのように斬ります。目付は刀が藁をぬけた辺りを斬るような気持ちで斬ります。


※ワンポイントアドバイス・・・握り込み・手首の返しを十分早くする。余計な力を入れない。


逆袈裟・水平:手の内、目付は袈裟と同じである。逆袈裟、水平時のバックスイングを小さく体の軸をブラさず右肩が顎の下にくるように、腰の回転を切っ先に乗せる。


ワンポイントアドバイス・・・小太刀は刀身の中ほどで斬るほうがよい。特に水平斬りの場合。


小太刀の斬り方の注意点は以上です。簡単なようでも弟子達は苦戦しております。